2011年4月29日

インターネットで公開するPDFのセキュリティとアクセシビリティ

Adobe Acrobat には様々なセキュリティ機能があり、編集できなくしたり、パスワードで保護する、印刷できなくする、といったことが可能である。業務上秘密にしなければならない情報をやり取りする際には、便利な機能だ。

しかし、それをそのままインターネットで公開する PDF にも適用してしまうのは、やりすぎなのではないかと思う。インターネットでセキュリティを設定する最大の理由は、「文書が改ざんされるのを防ぐ」ことだ。しかしそうすると、テキストをコピーしてメモ帳で読み上げることもできなくなり、アクセシビリティオプションの設定もややこしくなる。いきおい、アクセシビリティのハードルは高くなってしまう。インターネットで公開するドキュメントなのだから、改ざんなんて結局どうやってもできてしまうわけで、ファイルの自己同一性を確保するだけでいいのではないか。

そうすると、PDF 単体は特段の設定をしないで、md5sum などを使ってメッセージダイジェストを明記しておくだけでもいいはずだ。そうすれば、改ざんされたPDFファイルではチェックサムが一致せず、改ざんされたことが明確になる。オープンソースでのファイル公開ではよくある方法である。

公開される情報であってもセキュリティを確保したいというのはわからないでもない。しかし、MD5 で十分だし、そうすることで少しはアクセシビリティのハードルが下がる。そう考えることはできないのだろうか。

2011年4月26日

アクセシビリティで社会と会社を変えろ@神戸ITフェスティバル2011


神戸ITフェスティバル2011が4月15日に開催され、「アクセシビリティで社会と会社を変えろ」というタイトルで、アクセシビリティの話を1時間弱しました。いつもとは少し違うストーリーかもしれません。しかし、実はこの話、國學院大學の「福祉社会と情報」やサイバー大学の「アクセシビリティ論」で話していることだったりします。技術論ではない福祉社会、障害者福祉との接点を説明しようとしています。また、アクセシビリティに取り組むモチベーションがどこにあるのかといったことも赤裸々にしゃべっています。うまく説明できているとは思いませんが、ぜひ見てほしい内容です。

「アクセシビリティで社会と会社を変えろ」
録画配信 http://www.ustream.tv/recorded/14028503
スライド http://www.slideshare.net/ume3jan/kobe-itume-20110415


それから、W3Cの深見嘉明さんとの掛け合い、村岡正和さんの司会で、「ウェブの近未来を考える」というセッションにも出演しました。こちらは、タイトルに偽りありの大暴走をしてしまいました。僕が参戦するからだと思うけど、深見さんはアクセシビリティをしっかりカバーするストーリーを展開してくれたのですが、私はそこから出たくてウズウズしてたので、うまくかみ合わなかったのかもしれません。でも、登壇した私は好き放題に放言して、とても刺激的で面白かった。ご覧になりたい方は録画がありますので、どうぞ。

「ウェブの近未来を考える」
録画配信 http://www.ustream.tv/recorded/14031175